2017年9月6日

目的地の目印

イヌのトレーナーの馬場は
ここ半年ほど車のナビなしで運転をしています。

ナビがないのは確かに不便ではあるのですが
面白いことに、このおかげで私はできるようになったことがあります。

それは道路地図を読むこと。
スマホを片手にどこにいてもなんでも調べられる今時の流れからは、かなり古風な方法なのですが、私はインターネットで道順を調べたら、一旦紙の道路地図へ戻ります。
そして、目的地までどの道路を通って行くか(例えば、国道141号)を紙面で確認します。それと平行して走る道路もある程度覚えておきます。

途中通る街の名称もいくつか書き出します。そうすると、道路標識に示される地区の位置関係を頭に浮かべられるようになるので、間違ったところで曲がっても軌道修正がききやすくなります。

それでもいざ道中迷うと、地図とにらめっこ。
現在地が把握できさえすれば、軌道修正は楽ですが、目的地をうっかり通り過ぎていたりすると、その現在地の把握が困難になります。

そういう時、どうにも自力で解決できないと
コンビニの店員さんに道を尋ねることがあります。
そういえば、ある時、道を教えてくれた店員さんの
道案内がすごくわかりやすくて感激したことがあります。

その時私が探していたのは、1つの定食屋さんでした。
比較的大きな通りに面しており、定食屋さんからほど遠くない場所に家庭裁判所がある。
家庭裁判所を目印にして向かえば、簡単にたどり着けるだろうと思っていたのに…
さっぱりそれらしきものがない。

大通りを行ったり戻ったりした後
ある曲がり角にあったコンビニを目にした時
「今からお昼ご飯を食べに行くからお昼ご飯は買いたくないなぁ。
ジュースしか買わないのに申し訳ない…でも行こう…」

と、店に入り、店員さんに道を尋ねました。

その店員さんは、私が目印にしようとしていた家庭裁判所が
「大通りからは少し奥まった処にあるので、大通りから裁判所の建物は見えないですよ」と教えてくれ、別の目印に使えそうな、ある駐車場の大きな立て看板を教えてくれました。

もちろん、それだけでもすごくありがたかったのですが
その店員さんはさらに
「もしも、○○が見えてきたら、行き過ぎているので、もう一度戻って下さいね」
と教えてくれました。

通り過ぎた時の目印!
オーバーないい方ですが、目からうろこが落ちたような気持になりました。
行き過ぎた時の目印を知っていると、運転は格段に楽です。
その目印が出てこなければ、このまままっすぐで大丈夫ということだから。

ほどなくして、目的の定食屋さんに着いたのですが
「目的地までの道だけじゃなくて、行き過ぎた時の目印も大事なんだな」
としみじみ思いました。

それから
遠出のときの地図確認と
仕事でのイヌのトレーニングのレッスンで
「行き過ぎた時の目印」が活用されるようになりました。

うまくいっていることも「行き過ぎるとよくない」ってありますよね。
例えば、怖がりの子犬がご近所の人におやつをもらったことで、その人を見ると大喜びになったとします。人、特によく会うご近所さんのことを、愛犬が好きなことはとってもよいことだと思います。

一方で、過剰に喜び過ぎていれば、それは吠えや飛びつきを誘発し、
うっかり吠えや飛びつきを強化してしまうようなこともあるのかもしれません。

楽しいことでも、嬉しいことでもほどほどは大事。
トレーニングを頑張る飼い主さんほど
トレーニングのときも「行き過ぎ」がないかどうか
「どういうとき行き過ぎてるか」を
時折確認してみることも大切です。

2017年8月31日

雨の日の過ごし方

「レインコートの練習はどうしますか?」
「雨の日はお散歩しません」

初めて犬を飼うお家で飼い主さんが口にした言葉。

雨の日にお散歩すると
毛は絡まるし
足はドロドロになるし
なんとなく濡れた犬臭いし。
私は「そうですね」と口にしながら
ほんの少し口をもごもごして、思っていたことを飲み込みました。

それから1か月後
「雨の日に限って家具をかじる」
「雨の日に限ってトイレを失敗する」
と相談を受けて、「雨の日にお散歩してみては?」と提案しました。
そのおうちでは、その後イタズラが激減したそう。
(イタズラにはいろんな要因があるので、お散歩だけですべて解決ではないのですが)

育児書(犬の育て方本)の中には
「雨の日にお散歩すべきではない」
「お散歩するのかどうかは犬が決めるのではなく人間が決めるべきである」
と書かれているものを目にすることもあります。

確かに、お散歩の時間をきっちり毎日4時半と決めてしまい、時間になると「散歩の時間だ」と犬が決めて、まるでアラームのように吠えるのは困ります。お散歩時間は毎日同じではなくて、ずらせた方がよいでしょう。一方で、「雨の日には行かない」と人間が頑なに決めて行かないのもどうかな…と思うのです。

私は、「雨の日のお散歩」を犬に経験させてあげるのも
1つのものの見方ではないかと考えます。

雨の日は、普段の屋外とは違った風景が見られます。
傘をさした人
足早に歩く人
雨に濡れた雑草
水たまりと泥っぽい道
水を撥ねながら走る車
雨の日のお散歩もけっこうおもしろいものです。

室内犬が増えた今、雨の日にお散歩に出ない犬は、雨の日の外の世界を知らないのかもしれません。

もちろん雨の日に、1時間お散歩する必要はありません。
私がシッターでお伺いしているおうちは、半数は「雨でもお散歩行く派」。
そういうおうちでも、普段のお散歩が40分でも、雨の日のお散歩は10分程度。残りの時間はおうちで過ごします。でも帰宅すれば、家でくつろいで、まるで雨の音を楽しむかのような、そんな印象さえ受けます。

おうちの飼い主さんは「雨の日のお散歩を経験させよう」だなんて堅苦しく考えていないでしょう。雨でも行きたそうだから、ちょっと出かけて、雨でちょっと大変だったから一緒に帰ってきた。

そういう感覚って、たぶん大事だと思います。
犬との生活を、すべて犬最優先で過ごすことを奨励するわけではありません。
でも、犬がいろんな経験をして、「これはこういうものなのかぁ」と思って過ごせる環境は大事です。

2017年8月15日

ホテルに預ける?シッターに預ける?一緒につれて行く?

トレーナーの馬場です。
お盆休みも今日で終わり。
お出かけされた家庭も多いかもしれません。

お出かけの際、おうちのワンコさんをホテルに預けることに悩んだ方へ。
次のお休みに向けての準備、少し考えてみませんか?

預かり先でまったく問題がない子もいますが、環境の変化に過敏な子は
・トイレを我慢してしまう。
・食欲が落ちる。
・おなかを壊す。
そうしたことも起こりえます。

環境の変化が苦手なワンコが少しでも落ち着けるために、事前に預かり練習の時間を設けてみるのはいかがでしょうか。実際に預けなければならない時に、急に環境が変わるのは、預ける飼い主さんも不安ですが、犬たちも緊張します。

お泊り練習の他には、検討中のホテルの周辺を愛犬を連れて一度お散歩してみるのもよいかもしれません。
楽しくお散歩できる場なら、預かり時も楽しい時間を確保しやすそうです。
意外にも、自宅付近のお散歩コースよりも楽しく歩けることが発見して
「よし!家の付近でも新しい散歩コースを見つけてみよう」と別の楽しみが見つかる場合もあります。

預ける際には
・うちの犬はこういう性格で
・こういうことが苦手で
・こういう行動をとることがある
とホテルのスタッフの方に伝えて下さい。
預かる立場からすれば、どういう子かきちんと伝えてくれるのはとても助かります。
もちろん、普段の体調もお知らせして下さい。

ホテルの代わりにシッターを利用される飼い主さんもおられます。
そういう私もシッターの仕事を請け負っています。

夏場は、ご自宅での留守番でも停電が心配なため、熱中症対策を飼い主さんと相談したうえで受けさせていただいています。飼い主さんのご帰宅後、「ご機嫌で迎えてくれました」の電話をいただくと、ほっと一息がつけます。

さて、シッターやホテルお預けが必要なのは
「犬を連れていけない場への特別なお出かけのため」の場合が多いと思います。
ですが
私はシッターで行くおうちには、ある共通の課題があることに先日気が付きました。

偶然かもしれないのですが
私が行ったおうちの9割のワンコさんの基本情報の中で
☑車酔い
にチェックがされていました。

もし、車酔いの課題が克服できたのなら、ホテルやシッターを利用しないで
「一緒に旅行に行く」という選択肢もあるのかもしれない。

そこで、今日のコラムは車酔いについてです。
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車酔いには、いくつかの原因があります。
・単純に経験不足(最初から、長距離に挑戦してしまった)
・車に乗った後は、嫌なことばかり起きている
・無理やり車に乗せられるので「ここから出して欲しい」と慌てているため、気持ち悪くなってしまう
・緊張から動き回ってしまうので酔ってしまう
・お出かけのわくわく感から動き回って酔ってしまう

単に経験不足な場合は
パパさんがお休みの日にも車酔い克服に取り組めそうです。

近所にワンコが喜んで歩く公園があれば、その公園に5分ドライブし、公園を30分お散歩し、5分ドライブして帰宅し、経過を観察してみてもよいと思います。5分の帰宅の際、疲れて寝そべっているようであれば、帰宅時のドライブを10分、15分と長めにしていくこともできるでしょう。

ですが、車に乗ること自体を嫌がったり、抱っこされると暴れてしまったり、車内でじっとすることが苦手な場合、別のステップが必要になってきます。今現在、車に対しての「反応」がすでに構築されてしまっているからです。

この「別のステップ」は「逆拮抗付け」と呼ばれるトレーニングです。

すでに苦手な事柄に対して
異なる反応を引き出すためのトレーニングで

物音が苦手(吠えたり、突進したりする)
お手入れが苦手(咬もうとする)
他の犬が苦手(吠えたり、突進したりする)
な時、その苦手なものに
「ワンコが好きなもの」「嬉しいもの」を対提示する方法です。

例えば、少し苦手な耳掃除や爪切りに対して、フードが使ったトレーニングが効果的だったワンコは、このトレーニングが「正しくできた」状態です。
ですが、ここで疑問を持った人もいるはず。

「耳掃除の後に毎回おやつをあげているけど耳掃除をしようとすると咬もうします」

こんな疑問は浮かびましたか?
もしそうなら「うまくできなかった」状態もあるということ。

一度苦手になっているものに対しての「リハビリ」トレーニングは
動物のボディランゲージを読み取りながら
反応が出ないぐらい小さな刺激」から段階を重ねて次のステップに進みます。

車酔いの例で言うなら、車で何度も嫌な経験を重ねたワンコを
車に100回乗せてみても落ち着けるとは限りません。
かと言って、車を避け続けて
予防注射の時以外に車に乗らないのもよい選択肢ではありません。


苦手克服の最初のステップは
できる基礎トレの繰り返しです。
・止まることと
・物を楽しく放すこと
・名前を呼ばれたときに振り向けるようになること

これは多分、テニスの素振りや、バスケットのドリブル練習に似ているし
ダンスの基礎ステップにも似ています。
ルーティンになったことは、考える前に体が動くようになりますが
馴れるまでは、ぎこちない動きにです。

実は「止まる(苦手なものに反応しない)」ことも
最初は「考えながら-ぎこちない」ものが
馴れてくると「考えずに-反応しない」ことができるようになります。



私は昨年末より「苦手克服のための預かりトレーニング」の仕事の依頼を受けています。
「飼い主さんが取り組むトレーニング」という方針に矛盾するかもしれない…。
それでも苦手克服は2つの方向からの取り組みでもよいのではと考えました。


ここで話しはずれてしまうのですが
ダンスの基礎は姿勢だそうで、先日その「姿勢の作り方のコツ」を聞きました。

姿勢をよくするためには
背筋を伸ばし胸を張るべきなのかな?と私は思っていたのですが
足裏を地面にきちんとつけて踏ん張ること、がよい姿勢には不可欠だそうです。
足を踏ん張ると、それに引っ張られるようにして背筋も伸びるそう。

今できることと、やりたいことの橋渡しをするのがトレーニングであるなら
小さな基礎トレの積み重ねは、普段の生活を引っ張ってくれるはず
そういう思いから「預かりトレ」始めてみました。

次の長期休みに向けて、トレーニングはじめてみませんか?

2017年8月10日

物を放すことは、犬にとって難しいか簡単か?

犬に「ものを放すこと」を教えること
多くの方が少し困惑しながら向き合う項目です。

「走る人を追いかける意欲」を生かした防衛犬
「物をくわえて保持する意欲」を生かした狩猟犬

こうした作業犬でなく家庭犬として、室内で生活する犬にも
「物を追いかける」
「物を放さないで持っている」
能力を持っています。

犬を迎え入れる時、犬がもつ性質についてわかっているつもりでも
トイレ掃除で雑巾を追いかけたり
お散歩中に小石を拾ったりすると
つい、焦ってしまうのが親心なのではないかなと思います。

トイレ掃除の時、うっかり落とした雑巾を巡って思わず追いかけっこ
「叱らなければ、我儘になってしまうのではないか?」

小石を拾ったら
「飲み込んだら大変!」

と慌てたことはありませんか?

パパやママが慌てるほど
物を放すのが苦手になったり
素早く動くものに飛びついてしまう傾向があることはご存じでしょうか?

レッスンで物を放す練習に取り組んでくれたももちゃん。
動画の撮影に協力してくれました。

布でできた、少し難易度が高めの物を放す練習でした。
放す時にパパが力を入れずにオモチャを止めています。
そのため、奪い合いにならずに、落ち着いて放すことができます。
オモチャを再度もらうときに、ももちゃんが落ち着いていることも大事。
そのため、前足がきちんと床についていることを確認してオモチャを渡しています。

オモチャと雑巾は違う?
そうかもしれません。
でも、オモチャを飛びつかずに待つ習慣を持っている子の方が
雑巾を追いかけずにいられるようになれると思いませんか?

人間が思う以上に
雑巾の動きと
オモチャの動きって
似ているんです。

おまけの動画は、ゴルフボールを使ったゲーム。
いつか、本当にホールインワンできたらちょっといいなぁ。




2017年8月7日

暑中お見舞い申し上げます

2017年夏
とても暑いので
しばらくお休みします
と宣言している馬場の相棒犬。
夏の間、私の仕事にあまり協力的ではありません。


一方のトレーナーの馬場の方も暑さに強いわけではなく
よれよれしながら働いています。

今現在馬場の命の綱をつないでいるのはポカリスエットです。

普段なら朝いちばんで水を飲むのはおっくうに感じるのですが
先日、朝起きると
「頭がぼーっとする…まっすぐ歩けないような感じがする」
…と椅子に座って15分。
座ってても具合がよくなるわけもなく、とりあえず近場にあった粉末のポカリを水に溶かし、ガラスコップに注ぎました。

1杯目を飲み干し、お代わりを2回。
1リットルを飲み干してから一息つくと、視界が少しはっきりしました。
寝ているうちに脱水状態になっていたのかもしれないと思い
少しひやりとしました。

近頃ポカリをなんだかたくさん消費中。そして、少しずつ少しずつ体重が増加中。
ここらで一度
食生活と、水分補給の仕方を見直さなければと思い

熱いうどんや
熱い豚汁や
もつ鍋や
ちゃんこ鍋
などをメニューに加えて生活し
私はお相撲さんを目指しているのだろうか…と錯覚しそうになっています。

愛犬の暑さ対策はもちろん大事ですが
人間の暑さ対策も大切です。
水分休憩を忘れずに、残り2ヶ月の暑さ乗り切っていきましょう。