2018年1月16日

人が「よい」と思うことと、犬が「うれしい」と感じることの違い

犬と人は、異なる動物である。

そんな当たり前のことも、一緒に暮らしているとつい
忘れてしまうようなことってありませんか?

犬はすごく人間に近いところで生活していて
いろんな時間を共有してくれます。

仕事で落ち込んだから犬相手に愚痴ってみる。(←私はよくします)
自分が行ってみたい場所に犬も一緒に連れて行ってみる。
自分が嬉しいことなら、犬も嬉しいかなと思ったりする。
美味しいものを食べたら、犬も欲しいかなと思ったりする。

どれも特段悪いということはないと思います。
飼い主と同じ時間を共有することは、犬にとって間違いなく大事です。

ただし、犬は時として身の回りで起こることや聞こえる音に対し
私たちが思ってもいないような「学習」することががあります。
それはきっと私たちが
「犬は身の回りの世界を人とは違った見方をする」ことを
つい忘れがちだから。

先日、うちの犬を連れて公園を散歩していた時のことです。
3歳ぐらいの男の子がなんとなくこちらをちらちら見ながら
そろりそろり近づいてきます。

後ろからきたお母さんが
「ご挨拶は?」と男の子に声をかけると

男の子はちょっぴりそっぽを向きます。
そして、うちの犬の揺れるしっぽを見ながら
こんにちは」と小さな声で挨拶してくれました。

お母さんが
「ちゃんとお顔を見て挨拶しなきゃダメでしょう」
というのを聞いて
私はうーん…と心の中で唸りました。

(私としてはそっぽを向いて小さな声で挨拶してくれた方がありがたいです)

でも、そう言うのは
その場ではちょっと空気を壊しそうな気がして
なんとなく口を閉ざしました。
(パピークラスの場では口にするのですが)

人のルールと
犬のルールが
違うことは
意識しないとつい忘れてしまいます。

犬は目をじっと見て挨拶されることを
好まない動物です。

怖がりなうちの犬にとっては
その男の子の挨拶は「プレッシャーが少ない」ご挨拶だったので
引き続きゆったりしっぽを振りながら
その男の子とお母さんが、公園の小山を駆け上るのを見送りました。

さて
こうして
「怖がりなワンコさんをじーっと見ないでくださいね」
とよく口にしている自分自身が

昨日お散歩中にこちらをじーっと見ている
柴の雑種を見かけた時
なんとなく嬉しくなったことを白状します。

犬と目があうことって
人にとっては、なんとなく嬉しい。
たぶん理由などなしに。

じーっと見ている犬は
純粋に人に興味があったり、寄ってこないかなーと見ていることもあると思います。
でも、昨日会った犬さんはどうやら怖がっていて
私の次の動きは何か…を観察しているようでした。

冷静な自分は、そうして
「イヌガコワガッテルナラメセンヲハズソウ」と考えます。
でも、最初に目が合った時はやっぱり嬉しくて、
本音を言えばもう少し傍に行きたいな~と思ったのです。
(その犬は先々代のワンコのシニア期に少し似てたんです)

さて、そんな話をしながらも
私は相棒犬がドッグベッドで寝ているのを見ると
毛布を上にかけてみることを性懲りもなく続けています。

相棒犬は10分ぐらいは毛布かけたままでいるけど
しばらくするお気に召さない様子で
毛布を蹴って、その上に乗って、掘って掘って
自分で寝床を作り直します。

2018年1月1日

謹賀新年 2018年

新年あけましておめでとうございます!

2018年はどんな年になるのか
楽しみと不安が入り混じった1月1日。

道に迷って途方にくれる時も

うしろを振り返っておろおろする時も


めげずに前に進んでいけるようがんばろうと思います!
本年度もどうぞよろしくお願いします








2017年12月6日

お家の中で起こることに対する「社会化」

多くの方が「社会化」とは
家族以外の人に会うこと
他の犬と会うこと
それさえできればもうだいじょうぶ!

…とうっかり誤解しているように
感じることがあります。

実は
お家の外で起こることと同じぐらい
お家の中で起こることも犬にとっては
人が見るそれとは違って映ります。

「なんか変!大事件かもしれない!」だったり
「追いかけなければならない!」だったり
するのが


  • お母さんが洗濯物を取り込むこと
  • 落とした洗濯物を拾うこと
  • 床掃除をすること
  • ドアが開いたり閉まったりすること
  • 小さいお子さんがいるお家なら子供が家の中を走ること
  • 赤ちゃんの泣き声
  • 宅急便の訪問に大急ぎのお母さんの姿

だとしたら、皆さんは驚きますか?

お家の中で起こることは
私たち「ひと」にとっては「当たり前」の日常。

それが、犬にとっては
「受け入れるのがちょぴり難しい」と言われても
「???」と首を傾げたくなるかもしれません。

ただ、まず犬はどういう動物かを知っておくと
万が一子犬がそうした風景に過剰に反応しても、受け止め方が変わってくるのではと思います。

犬は素早く動くものを追いかける動物です。
いろんなものを口にくわえて確かめてみることもとっても自然な行動です。

その2つを頭の隅に置いておくだけでも
「問題行動」に取りくむ飼い主さん、肩の力を抜けるのではないかなーと思います。

私は先日受けた研修で
動物福祉の「5 Freedom(5つの自由の原則)」
を改めて見直す機会がありました。

「5つの自由の原則」とは国際的な動物福祉の基準で以下の5つから成ります。
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1.空腹と渇きからの自由
2.不快からの自由
3.苦痛や病気、ケガからの自由
4.正常行動発現の自由
5.恐怖およびストレスからの自由
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4以外はとってもシンプルです。
では「正常行動の発現の自由を」と言われるとちょっと堅苦しい感じはしますね。

これは咬み砕いて言うなら
「犬は犬らしく」

そしてトレーニングは
「犬は犬らしく(ただし安全にね!)」
のためにあるんだと思います。

動物福祉の考え方は
犬が犬らしくあるために、人側が我慢する…
犬がかわいそうだから、なんでも犬のやる通りに放っておく…
という意味では決してありません。

そのためにはまず
何が「犬らしい」のか知ることから、始めてみませんか?
トレーニングって、実はそんなところからスタートするんです。

2017年11月20日

こいぬといっしょに。49

ユーミー動物病院の11月のパピークラスに遊びに来てくれたのは

チワワのヒメちゃん
トイプードルのフク君

「抱っこで落ち着く練習」と
「触られる練習」を
頑張ってくれました。

遊びたいお友達ワンコが傍にいても
ちょっと不安になるような音があっても
力を抜いて待っていられる場所を作るための時間です。

触り方のコツとしては
ゆっくり触ること。

子犬はわしわし触ると
じゃれて楽しそうにするコも多いのですが
【人の手=リラックス】
を覚える時間のためには
意識してゆっくり触ります。
触りながら子犬のボディランゲージも一緒に読み取っていきましょう。

そうして
抱っこで落ち着いたり
抱っこのまま眠ったりできるコは
マッサージやお耳のチェックなども上手に受け入れられるようになってきます。

お勉強の後はお遊びタイム♪

さてルンルンのお遊びモードのおふたりですが…
気になるのはおトイレのこと。
3,4カ月齢の子犬はたくさんトイレします。

子犬の飼い主さんたちは
遊び途中にトイレを失敗した!
走り回って遊んだ後に急にトイレした!
…なんて経験が一度や二度はあるのでは?

ご存知のように
遊ぶ子犬=トイレする可能性あり!です。
ですが、見方を変えれば【遊びにうまく集中できる時間】をつくり
【その遊びがいったん途切れる時間】を見守ってあげると
トイレトレーニングもうまくいくのです。

床の匂いを嗅ぐ素振りに気づいたフク君のママさん
フク君を上手にトイレに誘導してくれました。

ヒメちゃんは自分からトイレまで歩いて入りました。
病院到着を怖がっていたコとは思えないほど、堂々とした足取りでトイレ成功です。

ふたりとも
お勉強とお遊びお疲れさまでした!

2017年11月9日

ゆっくり歩く―ボディランゲージ

ボディランゲージ
カーミングシグナル
ストレスサイン

様々な言葉で表現されていますが
犬がこちらに伝えている「ことば」があります。

体をかく仕草
あくび
体をぶるぶるさせる
そっぽを向く
ゆっくり歩く
逃げる
突進する
吠える

不安な時に相手にそれを伝えようとすることば。
自分は相手にとって脅威ではないと伝えてうまくやっていこうとするためのことば。
不安な状況をなんとかやり過ごそうと自分を奮い立たせるためのことば。

犬が発信していることばを読み取ることは
苦手克服の際にとても大事なものである一方、
考えすぎるのは考えもの。

今日は、トレーナー馬場の失敗談をお伝えします。
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ある日、相棒犬がお散歩の途中でやたらゆっくり歩き始めました。
なにやら周りが気になっていつものように歩けない様子。

私は気になって周りを見渡します。
周りに特に苦手そうな犬もいなければ、人もいない。
サイレンが聞こえてくるわけでもないし
工事の音もしていません。

やったらゆっくり歩くのはストレスサイン。
たぶん、この読みは間違ってはいません。

でも、この時私は
何がストレスの理由だろう?
どうするのが一番いいんだろう?
とやたら「真剣!」に考えすぎていました。
ストレス要因をこのコがじぃっと見つめたら吠えるだろうな。
「吠えさせたらいかん!」
「吠えさせないふうにするには!」
と犬をじぃ…っと見つめて考えていました。

私からのプレッシャーを感じて
さらにゆっくり歩く犬。

今なら冷静に
「何も考えずにいれば、よかった」と思うのですが
その時の私は、最善策を考えに考えてと
悪循環に陥っていました。

それから数日
同じ場所に来ると犬が固まり
私が犬を凝視しながら頭を悩ませる日が続き
ようやく気が付きました。

あっ…。私が原因かと。
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そんなわけで、犬の不安要因に、飼い主自身がなっているという
とっても悪い例でした。

犬のボディランゲージを学ぶのと並行して
人が犬に伝えているボディランゲージにも、ちょっと目を向けてみませんか?
ほんの些細な姿勢の変化や目線の配り方なんかがきっかけで
犬の不安を取り除くことができる場面も、少なくないんですよ。

おまけの動画は本編とは趣旨が異なり、犬が人間としゃべってます(笑)
たまには、ボディランゲージなんて忘れて
こんなやり取りしてみたいものです。